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2013年10月

岩谷時子さんのこと

「あの人は行ってしまったの・・・」

Photo

昨晩のことです。
先週、発売日に注文しておいた2枚組みアルバム「まりちゃんの夢のアルバム+愛は惜しみなく」が予定どおりに届いたものですから、これを聴いて、くつろぎながら新聞を開くと、「岩谷時子さん死去」のニュースが・・・

Photo_2

ちょうど一枚目の「夢のアルバム」を聴いてたので「確か、この中にも岩谷さん作詞の曲があったはず」と思い出し、「♪帰らぬ初恋」をかけてみました。
恋を失った乙女の寂しい胸の内を描いた曲なんですが、唄い出しと終わりが、こんな詞です。
「あの人は行ってしまったの・・・さよなら さよなら」。

今、頭の中ではこの部分が、繰り返し鳴り響いています。
私は、時子さんのことをほとんど知らないのに、どうしてこんなに寂しく感じるのでしょうか。
どうしてこんなに切なく感じるのでしょうか。

岩谷さんの詞はどれも素直で、心に染み込んでくるものばかりです、この曲は特にそうです、まるで御本人がそんな経験をしたのではないかと想うほど。
そして宮川泰先生による繊細なメロディにのって、園まりさんが唄うと、そこに美しい世界が拡がります。

詞は文字が並んでいるだけのものではありません。
物理的には、紙の上に文字があるだけなのですが、そこには心があります、魂があります。
あなたはラブレターを書いたことがあるでしょう?
もらったこともあるでしょう?
恩人にお礼の手紙を書いたことはありませんか?
そこには何の打算も無く、心を込めたはず、込められていたはず。
文字のなかには、魂と人柄がやどります。
それは作り物である「歌詞」でも同じことだと想う。

私は岩谷さんが数多く創った「歌詞」の中から、優しさと素直さと人間の大きさを感じるのです。

ところで、世界中で、その国の言葉でシャンソンを歌うのは日本だけなんだそうです。
シャンソンが好きで越路吹雪さんが大好きで、マネージャーとして、作詞家・訳詞家として活躍された岩谷さん。
彼女がいなければ、今日のようにシャンソンが「文化」として日本に根付くことは無かったかもしれないと想うのです。

そして、他にも大きな貢献をされた世界があります。
歌謡曲の世界、映画の世界。

ザ・ピーナッツや園まりさんはもちろんのこと、他にも多くの歌手に詞を提供し、大ヒットに結びつけました。
すばらしいのは大ヒットした歌だけではありません。
ザ・ピーナッツの「♪二人の高原」や「♪山小屋の太郎さん」なんて、ほんとうにさわやかで、可愛らしい詞なんです。
すがすがしく、また、ほのぼのとした気持ちになれるのです。

メガヒットだった園まりさんの「♪逢いたくて逢いたくて」や「♪ひとりにしないで」は心の底からウットリできる。
「♪私を責めないで」なんて、これをヒントに恋愛小説がかけそうなほどドラマチックだ。

上に書いた「♪ひとりにしないで」は、映画「愛のきずな」の主題歌として創られたと思うんですが、これがストーリーにピッタリ。
映画の中では、ほとんどメロディだけで、歌が聴けるのはエンディングのみ。
それでも歌詞が重要な意味を持っているんです。
「映画」が劇場公開されたとき、「曲」はすでにヒットしていた。
映画より一足早くリリースされ、歌詞が皆の脳裏にインプットされていたのです。
そのメロディは、劇中でシーンにふさわしい、さまざまなアレンジが施され、繰り返し流されますが、観客の頭の中には無意識のうちに歌詞も流れたことと想う。
そしてドラマチックな演出に一役かっていたわけです。

「クレージー黄金作戦」では「♪ウナ・セラ・ディ東京(ザ・ピーナッツ)」や「♪つれてって(園まり)」など、時子さんが手がけた歌が流れました。
特に「♪つれてって」はこの映画専用の特別バージョンだったんです、それが映画のシーンにピッタリ。
作詞するときは、まだ台本もほとんど出来ていなくて、シナリオも定まっていなかったはずなのに。
岩谷さんの想像力にはすごいものがあるんです。
メルヘンの世界に生きる少女のような感性と天分の才能、そして人の気持ちを汲みとる広くて深い心を持っていたに違いありません。

今、お蔵入りにしていた、この2本のDVDを、またゆっくり観ようと思っています。
今度は「お時さん」の創った歌詞に心を傾けながら。
そして、手元にあるCDの中から、「作詞・岩谷時子」を選んで聴いてみようかなと考えています。

偉大な故人に想いを馳せ、ご冥福を祈りながら。

・・・おしまい
        
       

儚い青春

副題:十七才のこの胸に

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ネタバレ注意

このDVD、今年2月にリリースされたばかりなのに、もうレンタルに出ているのを発見。
その辺りのショップでは、まだ見かけることは殆ど無いかも知れませんが、取り寄せなら、借りられるんです。
ということで、早速鑑賞してみました。

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園まりさんの出演映画のうち、「クレージーメキシコ大作戦」や「愛のきずな」は何十年か前に、テレビで放送していたことがあるんですが、この映画は初めて観ます。
知らない世界を覗いているようで、新鮮!

予告編を観たとき、「『女優:園まり』にしては、演技がぎこちないかな?」と感じたのですが、本編を観たら、全然、そんなことはなかった。

園まりさん演じる『高木由美子』には、『明日』がありません。
結核と白血病を併発し、映画前半で早々に亡くなってしまう役なのです。
だから、意外に出演場面が少なくて「あれれ?」と思ったんですが、それでもなかなか密度の高い名演技を見せてくれました。
予告編で感じたぎこちなさは『由美子』の葛藤が表情に表れたものだったんですね。

「でも、わたしは若いんですもん、生きてる限り夢を見たいわ」。
もうそんなに長くは生きられないことを知って、それでも精一杯、最後まで夢を膨らませながら、明るく生きたいと、自分に言い聞かせている表情だったんです。

そして、親友の『喜代子』にせがみます、湖に浮かぶ小船の上に、恋人同士の姿を見たいと。
その姿に、自分自身の青春を重ね合わせたい、そう願ったのです。

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「あたし、明日の幸せより、今日の夢が欲しいの・・」

園まりさんは、蜉蝣(かげろう)のように儚い『由美子の青春』を熱演しています。

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そして、表情ひとつで、何倍ものせりふを語っておりました。

ところで話は替わりますが、園まりさんは昭和35年、開局間もないNET(現在のテレビ朝日)で放送していた『あなたをスターに』に応募します(実際はお父さまが応募したようです)。
オーディション番組の草分けだったのですが、そこで優勝し、東映ニューフェイスとしての道が開けました。


でも、御本人には、女優になる気が、全く無い。
面接で「私は歌手になりたいんです」なんて気持ちが伝わったのかも知れません、結果として採用にはなりませんでした。
それが幸いし、歌手として大輪の花を咲かせたわけですが結局、東映映画(この作品)にもしっかり出演してたんですね。

運命なんて、わからないものです。

・・・おしまい
      

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