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どこにあるの? 愛の城

副題:別れがそっと うしろから しのんで来る 気がしてた

暑いですねー。
梅雨があけたのは良いけれど、私が住む名古屋でも、35度超えの日が続いています。
もう、足もとフラフラ、熱に浮かされ、よろめいちゃう...ちがった^^、よろけちゃう。

Photo_2

ところで、最近、ハマっていることがあります。
CDを聴くときに、歌詞をしっかり聴くこと。

先月末、ザ・ピーナッツの一人、エミさんの訃報を知ったその日、一晩中CDを聴きましてね。
普段と違う精神状態で聴いていたせいなのか、真夜中たった一人で聴いているという状況のせいか、「いつも楽しくピーナッツ」の筈が、この日は情感たっぷりに感じました。
「♪心の窓にともし灯を」とか「♪愛のフィナーレ」なんて、お二人が、何かに身を詰まされる想いで唄っているように感じて、聴いてるこちらも、そんな気分になった。

たて琴ではじまる、感傷的なメロディ。
「今ではひたすら 貴方の幸せ祈るだけ♪」。
あまりにも切なそうな、お二人の声。
闇がりの中ただ一人、震えながら、耐えました。
いっそ、泣けばよかった...
どうせ誰も見てないのだし。
人は悲しいときにも、人の幸せを願うものです。

お二人は、ただ楽譜のとおりに唄っている訳ではなく、それぞれの人生があって、詞があり、それを想いながら、その上に唄声がのっているのだと、初めて感じることができました。
この時以来、歌詞にハマっています。
そして唄声には、詞にふさわしいだけの気持ちが込められていることが、あると云うことを。
中には、自らの経験や人生にのせて唄っていると感じるような、『重い作品』もあることを。
これは私が〝気持ち〟で感じただけで、何かを知っているわけではありません。
それでも何かが、わかるような気がします。

ところで、そんな気持ちで、園まりさんの歌を聴いたら、どうなんでしょうか?

片っ端から聴いてみました。
それで、見つけましたよ、ある曲を。
じゃあ、そのお話をしますね。

でも、そのまえに、「実らなかった恋のお話」を一つだけ。


昔々あるところに、T君とEちゃんという、一組のカップルがおりましたとさ。
T君は山へ芝刈りに...ちがった^^ T君はいわゆる『もてない君』で、彼女いない歴2?年、これが初めての恋でした。
一方、Eちゃんはモテモテ美人でボーイフレンドは多いのですが、うら若く、未だ恋愛経験と呼べるようなものはありませんでした。
おつきあいが始まってから分かったのですが、二人には共通点が多く、誕生日や血液型も同じ、母子家庭に育ったところまで同じでした。
単なる偶然とは思えず(ホントは思いたくなくて)『運命の出会い』を感じたものです。

キスもしない、手をつなぐときでさえ、小指と小指を絡ませる、プラトニックな恋ではありましたが、デートを重ねるうち、二人の心はどんどん近づき、いつしか将来を語りあう仲となりました。
訳あって、いつまで経っても、プロポーズしないT君でしたが、あるとき、いつの日か出会うであろう『愛の結晶』の名前を考えている自分たちに気がつき、プロポーズを決意します。
彼の気持ちは彼女に受け入れられ、T君は、嬉しそうに目を伏せるEちゃんを抱きしめ、この日初めて「キス」をしました。

Eちゃんは、家に帰ってお母様に、プロポーズされたことを報告しました。
お母様は一晩考えて言われたそうです。
「おまえがあの人を愛しているのなら、お嫁に行って良いんだよ」
Eちゃんは、この言葉に動揺します。
母の老後は、自分がみるものと想っていましたから。
母一人、娘(こ)一人・・・だから。
そしてEちゃんの実家は、お父さまの遺した小さな会社を経営しており、彼女はお婿さんをもらって、その会社を継ぐ立場だったのです。

他にもまずいことがありました。
T君には、弟が一人おりました。
ところがその弟は、社長令嬢との結婚が決まっていて「マスオさん」になる予定だったのです。
当然T君も、母の老後は、自分がみるものと想っていた...

プロポーズしたことで、夢みるような恋物語は、現実の壁に直面します。
実は彼が恐れていたのは、これだった。
幸せの絶頂に近づけば近づくほど、別れがそっと後ろから、しのんで来るような、気がしていたのです。

それでもT君は、何とかこの恋を実らせようと、東奔西走しますが解決策が見つかりません。
「どこにあるのだろう? 愛の城...」ふとそんなことを考えたときです。
「ねぇ、こっちを向いて」
瞳をのぞき込むように、彼女が言いました。
「信じていいよね・・・」

あとはご想像にお任せします。
ただ一つ、T君は「プラトニックな恋で良かった...」と思いましたとさ。


・・・このお話は実話なのかって?
さぁ~、どうでしょうかね(^_^;。

言いたいことは、実る直前に壊れてしまう恋もあれば、つかまえたと思った瞬間に、逃げてしまう愛もあるってこと。

・・・本題に戻りますが、アンサーソングって聞いたことあるでしょ?
有名なところでは、坂本九さんの「♪明日があるさ」に対して槇みちるさんの「♪若いってすばらしい」。

わかりやすいところでは、園まりさんの「♪あれがお父さまよ」と、「♪涙のスクリーン」。
「♪涙のスクリーン」なんて、歌いだしが「-あれがおとうさまね-♪」だから、誰でもわかる。

あと、よく知られたところでは、ザ・ピーナッツの「♪ふりむかないで」に対する「♪こっちを向いて」、これもわかりやすい。

これらは、歌手、作詞家、作曲家が同一の場合もあればバラバラのこともあり、様々です。
アンサーソングは普通、作者がそれと宣言するのですが、その様なことは一切無くても聴く側がそう判断してアンサーソングと言われる曲も多いようです。
先ほどの「♪涙のスクリーン」なんて宣言されていなくても、明らかにアンサーソングですもんね(^^。

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で、ここに相互にアンサーソングではないかと想われる曲が二つ(私が勝手に想うのです)。
平尾昌晃さんが作曲した「♪愛の園」と園まりさんが歌う「♪横をむかないで」。

「♪愛の園」は以前このブログで取り上げていますが、あのお話は、あくまでもフィクションなので、誤解の無いよう、お願いします。

「♪横をむかないで」は「♪あなたのとりこ」のB面なのですが、この頃の園まりさんにしては比較的声を張って、きらびやかな唄い方が、なかなか魅力的。

そして「♪愛の園」なのですが、布施明さんが唄った一年あまり後に、園まりさんもカバーしています。

布施明さんは「♪愛の園」で希望とその裏返しになる不安を唄い、園まりさんの「♪横をむかないで」は心細く揺れ動く女心を表現します。
そして後に、まりさんは同じ曲「♪愛の園」で傷心の男心・女心を切なく唄います。

それは、大幅にキーを変えて(声域が広いのです)二曲を歌い分けるのですが、どちらもしゃくり上げるような『園まり節』ではなく、むせぶような唄いかた。

「♪横をむかないで」の唄い方を「♪愛の園」ではさらに強調することで「これはアンサーソングなのよ、気づいて」とメッセージを送っているようにも感じます。

そして、布施バージョンの「♪愛の園」→「♪横をむかないで」→園まりバージョンの「♪愛の園」と三曲続けて聞くと、一つの物語になっていることが解ります。

最初の「♪愛の園」で、"彼"は真剣に「二人だけの愛の城」を目指します。
乗り越えるのが難しい「壁」が立ちはだかっているのを、本能的に感じてはいますが、「君と 君と行こう 愛の園♪」に強い決意と希望を感じます。
一方「♪横をむかないで」で"彼女"は、彼の愛に幸せの絶頂なのですが、時折考え込む彼の横顔に「しのびよる別れ」の不安を感じます。

そして園まりバージョンの「♪愛の園」は歌詞・メロディとも布施バージョンと全く同じながら、新たな息吹を与えられ、正反対の印象を持つ歌となっています。
「どこに どこにあるの 愛の園♪」が際だっているために、そう聞こえるのですが、声に込められた「気持ち」だけで「終わってしまった切ない恋物語」を暗示しています。
・・・どう言えば伝わるのでしょうか。
『園まり』にして、悲しみを表現すると、こうなるというか、同じ楽曲がここまで"絶望的"な歌になるなんて、想像も出来なかった。
「二人 二人だけの 愛の園♪」と唄うフレーズでさえ、「あんなに、愛しあった、二人なのに」と聞こえてしまう。

この三曲をどのように感じるかは、聴く人次第でしょう。
それぞれの感性、それぞれの人生、それぞれの経験。
でも私には、「アンサーソング」に聞こえるし、一曲ずつ聴くより、いっしょに聴いた方が、より美しく感じ、心に染みる。

私はこの三曲と冒頭の「♪愛のフィナーレ」を聴くと、先ほどのT君とEちゃんの「初めての恋物語」を思い出します。
恋の終わり、それは、想いでの、はじまりなのです。
彼は、知っていました、、、別れはくると。

人は悲しみを知ったとき、人の幸せを願うものです。
たとえ、恋に破れた相手でも。
あれ以来、二度と会うことのない二人ですが、T君は想うのです。
Eちゃんが、しあわせに暮らしていますようにと。
そして、心の傷痕を埋めてくれた〝妻〟を見つめました。
いとおしさを感じながら。

・・・おしまい

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