最近のトラックバック

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

« こんなに悲しいとは...想いもよらなかった | トップページ | 「♪心の窓にともし灯を」 »

幸せになってね わたし祈ってます

副題:歌はドラマだ

Photo

『ザ・ピーナッツ』のエミさんが亡くなったのは、とてもショックで、落ち込みました。
人の幸せを願うときって、ほのぼのとした気分になるものだと想ってた。
それが、のこされた妹・ユミさんの幸せを祈ったとき、悲しくて、切ない気持ちでいっぱいになって、一つだけ新しいことを学びました。
「人は悲しいときにも、人の幸せを願うものなんだ」。

お気に入りの歌をいっぱい作曲してくれた宮川泰先生が亡くなって、大好きだった谷啓さんもいなくなり、こんどはエミちゃん。
私の子供時代、青春時代に慣れ親しんだ芸能界の人が消えていく。
こうなってくると、現役で活躍されている園まりさんが、益々、かけがえのない存在に感じられます。
「縁起でもないこと言うんじゃない!!」と叱られそうですが、お体をいたわって、長く活躍してほしいです。

それはそうとして、いつまでも悲しんでいても仕方がないので、少しでも明るいことを書いてみたい。
書けるかどうか分からないけど・・・

ユミさんのことで「お願いです、どうか幸せになって下さい、それだけを祈っています」と書いて、それを後日読み返したら、「♪幸せになってね」と「♪わたし祈ってます」が頭に浮かんだ。
その詞と自分の書いた文章を見比べると、あまりにも似ていて、我ながら驚いているのですが、歌詞が脳の回路に刷り込まれていたのでしょうか?

「♪幸せになってね」は園まりさんの73年8月にリリースされた曲。
「♪わたし祈ってます」は1974年に、敏いとうとハッピー&ブルーが大ヒットさせたのですが、どちらもオリジナルは、1972年3月発売の松平直樹とブルーロマンと云うことになっています(だそうです)。
しかし聴いてみると、まるで、園まりさんが唄うことを前提に作られたような感じ。

まりさんの曲は、「からだに十分 注意をするのよ♪」で始まり「幸せになってね わたし祈ってます♪」で終わっていて、愛する年下の彼を気遣いながらも、避けられなかった別離を唄っています(ハッキリ年下とは言っていないのですが、まりさんが唄うとそう聞こえます)。

ハッピー&ブルーの「♪わたし祈ってます」の方は、比較的さらっと歌い、CMソングにも使えそうな感じで、いかにも一般受けしそうですが、園まりさんの「♪幸せになってね」になると、ちょっとちがう。
たっぷり情感が入っており、「実際にあったことをそのまま詞にしているのでは?」と想ってしまうほど。想像をふくらませるには、ピッタリです。

やっと調子が出てきました、ここらあたりで、いつもの妄想と行きましょうかね(^_^;。

では、実ることのなかった『恋』のお話を一つ。


『二度目の恋』

昔むかし、そうですね、昭和40年代としておきましょうか。
都内の片隅に、中堅の商社がありました。
ここの秘書室には、M子さんという、美貌のOLさんがいましてね。
元々、営業で採用されたのですが、能力を買われ、企画部→秘書室と抜擢されたわけです。
歳の頃なら20代半ば、その愛嬌のある性格と相まって、男性社員の間では一番人気です。
「恋多き女」と噂される彼女でしたが、実は恋愛経験はそんなに多くありませんでした。
何故かって?
「慎重」だったんです、恋愛に。
元々慎重派だったのですが、20代前半、「初恋」で結婚直前まで話が進みながら、実らなかった。
そのことで、彼女の心には、深い傷痕が残りました。
別れた人への想いもひきずっていて、ますます消極的に。
もう一つは(こちらも理由としては大きいのですが)、周りの男性は皆、秘書室のエースで美しい彼女を『高嶺の花』と決め込み、尻込みした。

そんなところへ現れたのがO君、取引先の会社から出向でやって来た、有望なルーキーです。
M子さんより3歳年下の彼は、皆が『高嶺の花』と遠巻きする中、彼女に猛烈アタックします。

実を言うとO君、以前仕事でM子さんと会ったとき、その美貌と、愛嬌ある人柄に一目惚れしてしまいました。
そして、彼の会社で出向の希望者を募っていたとき、同僚が尻込みする中、真っ先に名乗りを上げたのです。

彼女にしてみれば、初めて出会うタイプでした。
ちょっと強引ではあるけれど、優しい。
年下なのに、大人っぽいところがあるかと思うと、無邪気で甘えん坊で、何よりも彼女に「首ったけ」な気持ちが伝わってきて、かわいかった。

M子さんは、彼にのめり込みます。
初めての恋に破れて、幸せをあきらめていた彼女にとって、二度と巡ってこないだろうと想っていた「ときめき」でした。
彼女の胸の傷痕は 彼の優しさで埋められていきます。

幸せな"とき"が過ぎていくある日、彼女の部署に新しい上司である、I部長がやってきました。
少し変わり者であるこの上司は、頑固者で、その上信念の固まり、社内でも恐れられる存在となりますが、一方その人望故、部下から多くの信頼を得ます。
そして、M子さんの能力と誠実な仕事ぶりを気に入り、高く評価しました。
大切な商談の時などは、必ず彼女をつれていくようになったのです。
ただ、まずかったのは、I部長が若くてダンディだったこと。
M子さんとは、6歳ほどしか歳が離れていなかった。
二人は、純粋に「仕事のおつきあい」しかなかったのですが、一緒に歩いていると「お似合いのカップル」に見えました。
火のないところに煙が立った。

いわれのない噂は、やがてO君の耳にも入りました。
それが原因なのか、二人の間にぎくしゃくしたものを感じるようになります。
大人っぽいとはいえ、彼はまだまだ若すぎたのでしょうか?
そんなおり、O君にヘッドハンティングの働きかけがありました。
九州の小さな会社でしたが、社長として経営に参加してくれないかと。
『実業家』は彼にとって小さい頃からの『夢』でした。
しかし、彼女にとっては『悪夢』だった。
このタイミングで遠く離れることは「愛の終焉」を予感させることでした。
それでも、彼を引きとめることは出来ません。
「私のために、夢をあきらめて」とは言えなかったのです。
出てきた言葉は「からだに十分、注意をするのよ」でした。

しばしの時は巡り、次の年末年始、M子さんはハワイにいました。
「良い身分だなぁ~」って?
いいえ、遊びじゃありません、お仕事で社長のお供です。
新しい事業をお得意様にアピールするため、ハワイ旅行にご招待し、プレゼンテーションする目的です。
高度成長時代のさなかでしたからね、仕事とはいえゴージャスなものでした。
このとき彼女は、秘書兼通訳とプレゼンテーターを任されます。
普通、こういった仕事は広報部がすべきことで、秘書室は関係ない筈ですが、一人でこれだけこなせる人材が、他にいなかった。
その実力を買われたわけです。
ステージに上がりプレゼンをする彼女ですが、その中にO君が作った企画がありました。
たまたま二人だけで残業したとき、彼が自慢げに話していた企画です。
当時の記憶が、走馬燈のようによみがえり、悲しくなったM子さんは、泣き出してしまいます。
泣きじゃくる彼女に、周りの者は、何がなんだかわかりません。
この時のお仕事は、失敗に終わりました。
彼女にとっては、初めての失敗です。

日本に帰ってから、このことは、社内で噂になり、M子さんの恋愛に関して無責任な憶測が飛び交います。
内気な彼女ではありましたが、目立つ存在だけに、一旦噂に火がつくと収まること無く広がりました。
針のむしろに座るような毎日でしたが、ある日突如、朗報が飛び込みます。
『彼』が帰ってきたのです、東京にO君が。
九州の会社を短期間で大きくし、本社を都内に移しました。
しかも、筆頭株主として、事実上のオーナー社長になり、彼女を迎えに来たのです。

「誤解して悪かった、君の噂はずっと聞いていたよ」と彼。
彼女は彼の胸に飛び込んで言いました。
「お帰りなさい、わがままなあなた」
そう言ったつもりでした。
でも実際に口から出た言葉は「いいの・・・いいの」、ただそれだけでした。
そして、彼と彼女のステディな関係を見た周りの者から、根も葉もない噂は自然消滅していきました。

この恋は実ったのかって?
いいえ、一番上に、実ることのなかった『恋』って書いてあるでしょ(^_^;

それから2年後、ひんやりとした夜空に浮かぶ月を眺めながら、彼女は想いました。
「心変わりなんて、よくあることだけど...ちょっぴり意外でした、あなたにかぎっては」。
そして、別離の日、最後に彼に向けた言葉を、もう一度心の中でつぶやきました。
「幸せになってね」...


人は悲しいときにも、人の幸せを願うものです。

ところで、男性諸君に伺います、別れの際(きわ)に、彼女から言われたことありませんか?
「もっといい人見つけるのよ、幸せになってね」と。
これは、一種の社交辞令みたいなものですが、本心でもあります。
一度は愛した人が、憎かろう筈はありませんからね。
そして、「私のことは、忘れて」と云う意味にもとれます。
要するに「ふられた」訳ですな(^_^;

歌謡曲だからと云って、タカをくくってはいけません。
作詞家・作曲家・歌い手と、一般人より遥かに感性の豊かな人たちが、自らの想いや気持ちを乗せています。
そこには、一曲ずつドラマがあり、さらに相互に繋がって、「新しいドラマ」をかたちづくっています。
先生方が、唄い手のイメージにふさわしい曲を、以前リリースした曲に会わせて提供することは、多いですからね。
だから「隠れたアンサーソング」になっていることも、あるわけです。

ところで、念のためにもう一度お断りしておきますが、上のお話は、完全なるフィクションです。
登場するのも、全て実在しない架空の人物で、園まりさんの歌をヒントに、創作したものです。

この頃の、園まりさんの歌を聴くと、最も脂がのっていて、歌手として一番「おいしい」時期であることが分かります。
表現力、特に感情表現というか、唄声に「気持ち」を乗せることにかけては、天才的なものを感じます。
一つ残念なことは、ヒットから遠ざかっていた為、「園まりにして最高の実力」が、あまり世間に知られていないことです。
ラジオなどから流れると良いのですけどねぇ、この頃の唄声が。

さて、ここでクイズです。
「♪幸せになってね」を中心に、もしかすると、ドラマとして筋書きが繋がるのではないかと想われる歌を引用して、物語を作ったのですが、この中に何曲あるでしょうか?

正解は、ずずずいっ~と下の方までスクロールして下さいネ。

物語に沿って順番に曲名を上げると、次のとおりです。
「♪私を責めないで」→「♪幸せになってね」→「♪お帰りなさい」→「♪面影のワルツ」の四曲でした。

一応4曲のはずですが、しっかり確認することなく、思いつきで書いたので、実際の歌詞とは少し違うし、他にも何曲か入っているかも知れません(^^;ゞ。

「♪私を責めないで」は二度目の恋を暗示し(と云うより、ハッキリそう言ってますけど)、後の三曲は、年上の女性が持つ包容力を感じさせます。
ここで、一つだけ不思議に想うのは、「♪お帰りなさい」です。
この曲、帰ってきた彼に「切なかった胸の内」をぶつけながらも、気遣っている歌詞で、基本的にはハッピーな歌の筈なんです。
ところが、唄声を聴くと、終わってしまった恋、去ってしまった彼を、淋しく想い出しているように聞こえることです。

何故なんでしょうかねぇ...私の感性が変なのでしょうか?
あなたはどう想いますか?

・・・おしまい

« こんなに悲しいとは...想いもよらなかった | トップページ | 「♪心の窓にともし灯を」 »

園まり」カテゴリの記事